「女々しくて」
皆さんお馴染みの、今をときめく「ヴィジュアル系エアバンド。
「ICE BOX」
「僕クエスト」
エアギター選手権というのはかなり前から存在していたものの、バンドまるごとエア演奏というのは前代未聞である。
「Dance My Generation」
Vo.の鬼龍院翔は、メンバーで唯一まともにパートをこなしている人物であり、作詞作曲も総合的なプロデュースも、全てこの人が行っている。
残りのメンバー3人は何をしているのかというと、Gita-(Guitarではない)の喜矢武豊はスイカの早食いと段ボールを使った工作、Be-su(Bassではない)の歌広場淳は宝塚観劇、Doramuの樽美酒研二はモンハンを、それぞれ頑張っている。つまりまともに音楽活動をしているのは、キリショーこと鬼龍院氏ひとりだけ。
Gacktに憧れてバンドを始めたというキリショー自身が(他メンバー、特に歌広場淳もそうなんだけども)ヴィジュアル系オタクなところがあり、明らかにヴィジュアル系バンドをパロった楽曲も多数存在する。「TAKUROさんの夏」などのように、自ら具体的にネタバラししてしまったものもあるほど。
キリショーは私の1歳上なのだが、'90年代のCDバブル時代を過ごしている。楽曲も、オリコン圏外にも名曲だらけだと言われたCDバブル時代を想起させるようなものも多い。
だって「女々しくて」って曲調的にははっきりいってレトロで、最近のヒットチューンとは全然色が違う曲。
インパクトのあるオープニング、少しダウナーになるAメロ、「ここからギターソロです!」「ここでギターソロ終了!」というのがすごくわかりやすい間奏。その間奏に、頑張ればギリギリ聴き取れる程度のラップを入れる。……はっ!
これB'zの「ZERO」と似た構成だな。
最初はノンタイアップだったのに、楽曲の人気の高さで発表から数年経って(「ZERO」は相当長かったけど)タイアップを獲得したという意味でも………というのははさすがにこじつけすぎか。
「TSUNAMIのジョニー」
なんとなく見覚えのあるタイトルの「TSUNAMIのジョニー」の歌い方など、明らかにあのお方のモノマネである。
「毒グモ女」~「ultra PHANTOM」
ゴールデンボンバーがここまで一般的に売れた理由のひとつに「ヴィジュアル系とお笑いの融合」があると思う。元NSC生であり、かつては、現しずるの池田氏とコンビを組んでいたという鬼龍院翔、ミュージシャンとしての情熱と同等の芸人根性も持ち合わせている。
数々のヴィジュアル系バンドをパロった小ネタは、ともすると元ネタにされた人達を馬鹿にしているように捉えられる危険性もあるが、ゴールデンボンバーにそれを感じないのは、お笑いとしての消化が上手いのだと思う。
「いいひと」
「もうバンドマンに恋なんてしない」
また、ゴールデンボンバーの特徴は、今までヴィジュアル系の人達に対して、あえて誰も突っ込まなかった部分を、あくまでヴィジュアル系に好意的な立場から、いけしゃあしゃあと突っ込むところである。その象徴がこの曲だ。
「
ザ・V系っぽい曲」ネオヴィジュアル系ブームはあったものの、長らくマイナージャンルの括りに甘んじていたヴィジュアル系だが、久々にお茶の間から、一般層から(偉そうな言い方ぢが…)受け入れられるヴィジュアル系バンドが出現した。これは喜ばしいことだ。ヴィジュアル系がダメになったと言われて久しい昨今、ブームを盛り上げるべく、賛否両論を受けども頑張って売れ続けてほしいものだ。